【お寺の守護者】金剛力士像(仁王門、仁王さん)とは【ホトケ様シリーズ】

ホトケ様

怖い顔で睨まれる金剛力士像、仁王さんとは、どんな仏様なのでしょうか?

お寺の境内に足を踏み入れる前に通る仁王門の両脇には大きな仏様、阿形像と吽形像がいらっしゃいます。

寺院においてこの2体が意味する役割とは一体なんでしょうか。

この【ホトケ様シリーズ】の第一弾では、阿形像と吽形像がどんな仏様であるのかをお話します。

金剛力士像の役割

金剛力士像には両脇に2体の仏様が立っており、よく見てみると違いが分かり、口を開けた仏様と口を閉じた仏様がおられます。

口を開けておられる仏様が阿形像。

口を閉じておられる仏様が吽形像です。

この2体の像は、仏法を守護する仏様。或いは一山を守護する仏様と言われています。

神社を守る狛犬と似たような、近い役割であるイメージです。

阿形像・吽形像

阿形像は先に書きましたが口を大きく開いており、「あ」と発しています。

この「あ」とは人間が生まれたとき口を開けて「オギャー」と泣く、その姿を現していると言われます。

一方、口を硬く閉ざしている吽形像は、「ん」と発しています。

この「ん」は、人間が死を迎えたとき「ん」と口を閉ざす、その時の姿を現しています。

阿と吽は宇宙(人間も含む全て)の始まりと終わりを現しており、陰と陽一切の万物(あらゆるもの)を現します。

余談ですが、「阿」と「吽」はサンスクリット由来でありますが、日本のひらがなも「あ」で始まり、「ん」で終わり、始まりと終わりを現しています。

仁王門をくぐる時

生まれた時、始まりの阿形像と死を迎えた時、終わりである吽形像の間を通って、みなさんお寺へお参りをします。

私たちは今、生と死の中間を生きています。

お寺の前には仁王門、そして目を見開き、怖い顔をした2体の金剛力士像。

私たちが生と死の間を潜るとき、行動と言葉の中で何か悪いことをしていないか見極めるために、怖い顔をしています。

この仁王門をくぐるときは、これまでの行いを見直し、反省する場でもあります。

お寺へお参りに行き、仁王門があれば、過去を反省し、自身を見直して悪かった所は改めて、善くなるよう心がける始まりのきっかけにしてください。

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