仏の母、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)という仏様を皆さんはご存知でしょうか。
御本尊としてお迎えしている寺院も少ないので知っている方も少ないのではと思います。
そもそも仏様とは「如来部」「菩薩部」「観音部」「明王部」「天部」からなりますが、その仏様たちの母とはどういった存在なのでしょうか。
今回は仏眼仏母についてお話ししていきます。
仏様とは
文字通り、仏の母といわれる仏眼仏母。
なぜそのように崇められているのでしょうか。
そもそも仏、仏陀とは Budh(目覚める、悟る)という動詞の過去分詞が Buddha で目覚めた、悟ったという意味になり、Buddhaという言葉を音訳したのが「仏陀(ブッダ)」であり、仏陀の略語が仏となりました。
仏眼仏母(ぶつげんぶつも)
仏眼仏母とは、仏教の中でも特に密教(日本では天台宗、真言宗)で崇められる仏様の一尊です。
人は真理を見て世の理を悟り、「仏」すなわち「目覚めた者」となります。
これを「真理を見つめる眼が仏を産む」または、「人に真理を見せて仏として生まれ変わらせる宇宙の神性」を擬人化して仏様として捉え、仏の母「仏母(ぶつも)として信仰するようになりました。
仏を産む存在とは
仏眼仏母とは、胎蔵界大日如来という仏様が金剛界月輪三昧(こんごうかいがちりんざんまい)という深い瞑想の境地に至った姿という解釈もされ、一字金輪仏頂(いちじきんりんぶっちょう)と表裏一体の関係とも言われます。
一字金輪仏頂は悪神を折伏(しゃくぶく)(今でいう「論破」)するのに対し、仏眼仏母は悪神を摂受(しょうじゅ)(心を寛大にして、相手の間違いを即座に否定せずに受け入れ、穏やかに説得すること)により、教え導く仏様。
密教においては、目を開いて仏として生まれ変わらせるという役割であることから仏像の開眼作法の中でこの真言を唱えられます。
後筆
いかがでしたでしょうか。
「母」という字だけでも想像できる優しさや包容力。
真理を見せて仏へと導くその神秘性から信仰されるようになった仏様でしたが、先にもお話ししたとおり御本尊としてお迎えしているお寺も多くありません。
その存在を知らない方も多いと思います。
是非仏眼仏母を御本尊とする寺院へお参りしてみてはいかがでしょうか。
wikipedia:仏眼仏母より
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