前回はお釈迦さまが出家し、修行、そして悟りに至るまでをお話ししました。
前回記事、お釈迦さまの生涯はこちらをご覧ください。
今回お話しするのは、お釈迦さまは一体どんな真理を悟られたのかです。
4つの真理
お釈迦さまは悟りへの道、苦しみから解放される方法を4つの真理にまとめられました。
四諦(したい)または、四聖諦(ししょうたい)と言います。
この4つのことを指します。
具体的に一つずつ説明していきます。
苦諦(くたい)
まず最初の苦諦ですが、人生そのものが苦であるという考え方です。
そもそもお釈迦さまが出家をするきっかけになったのが四門出遊で、老人、病人、死人、出家者に出会ったことでしたが、この老人、病人、死人に「生きること、生まれること」を加えた4つの基本的な人生の苦しみのことを「 生 老 病 死 」であり四苦と言います。
生は苦しみ?
人生の基本的な苦しみが生老病死と説明いたしましたが、四苦の中に 生 があります。
なぜ生きることが苦しみなのでしょうか。
これは輪廻の世界(命あるものが何度も生まれ変わる世界)に生まれることによって、老いが始まり、病にかかり、そして死を迎える。
生まれることこそ苦しみの根源であるといえるわけです。
四苦八苦
先ほどの4つの苦 生 老 病 死 に加え
の4つを合わせて、四苦八苦と言います。
これは皆さんもよく耳にする言葉だと思います。
漢字から想像できるものもありますが説明すると
・愛別離苦は、愛する者でも別れる時がくるという苦しみ
・怨憎会苦はその逆で、怨んでいたり、憎しんでいる人に会う苦しみ
・求不得苦は、自分の求めているものが得られない、手に入らないという苦しみ
・五陰盛苦とは、自分に執着するがゆえの苦しみのことです。
この世に生を受けることで、苦と共に生きていかなければならないということを第一の真理として説かれました。
集諦(じったい)
二つ目は集諦ですが、これは苦しみの原因についての真理です。
苦諦では苦しみについてお話ししましたが、その苦しみには必ず原因があるはずです。
苦しみの原因とはなんでしょうか。
例えば、好きな人がいるとしましょう。
好きで好きでどうしようもなく、お付き合いしたくて相手に告白しますが、相手からの好意が得られず振られてしまいます。
振られた後は恋人にならなかったことで、その気持ちは苦しみとなります。
自分が今欲しものがあるとすると、それが手に入らなければそれは苦しみになるのです。
つまり、物に執着し、欲があるから苦しむのです。これが集諦です。
滅諦(めったい)
それでは、苦しみには原因があると言いましたが、解放されるためにはどうすれば良いのでしょうか。
原因になるものは、物や人への執着であり欲ですから、それを断ち切れば良いのです。
これが第三の真理、滅諦です。
道諦(どうたい)
執着や欲を断ち切れば、苦しみから解放されることは分かりました。
しかし、「よし、苦しいから執着を断ち切ろう!」と思い立てばできるものではありませんし、どうすれば良いのかも分かりません。
この執着や欲望を断つ方法の真理が道諦です。
その真理の実践方法として「八正道」を説かれています。
仏教にはたくさんの修行法がありますが、最も基本的であり、中心になるものが八正道です。
八正道とは
の8つの正道のことです。
この正道の正、正しいという字は、善い、優れたという意味の他に中道(快楽に溺れることも、苦行に身を投げるのも間違いであり、極端ではなく、全てに適度で適当であり、度を過ぎない)を守る修行であり、これが正しい修行であることが含まれます。
あるべきところに、あるべき状態であり、するべき時にする、適切、適当であり、バランスの取れた状態、これが中道であり、苦しみの原因である執着や欲を捨てる八正道の修行なのです。
八正道の実践
以上が、お釈迦さまの悟りへの真理です。
苦しみからの解放。仕事や人間関係においても苦しい思いをされることは色々な場面でたくさんあると思います。
何事も原因を見つけないと対処ができません。
どんな苦しみか、なぜ苦しんでいるのか、その苦しみを断ち切るためにどうすればいいのか、それを考え、行動しなければいけないというお話でした。
次回の【連載】仏教ってなんだろうは、仏教の基本的であり中心的な八正道についてお話いたします。
今回も記事をご覧いただきありがとうございました!
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